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 小西 由貴 インタビュー

インタビュー:中谷昌代 / 写真撮影:北田薫

 

―芝居小舎の創立から一緒に20年間続けてきた小西先生にとって芝居小舎とはどんなことろなんでしょうか。

 

自分たちのやりたいお芝居をできるところやね。

 

私は高校生の時に劇団の養成所に行き始めて、高校の卒業と同時にマスコミと舞台と仕事始めてしまったんで役を楽しむというよりも、いただいた役を追いかけるのが精いっぱいだったんです。

 

―すぐに仕事を始められたんですね。

 

そうなんです。恵まれてて、すぐにDJを何本かと、映画のレギュラーが入って・・。そんなんだったから、夢中で。自分で役を作るというより、とにかくその場その場でその役を演じていくことに一生懸命でした。

 

それから、子供も生まれて、親もいたので一時期、劇団をやめて冬眠していたんですが、ちょっと芝居から離れていたことで、もっと芝居をやりたいなという気持ちになって、芝本と「ちゃんとした芝居をやりたい」ということで芝居小舎を作ろうかなって。

創立して芝居小舎でお芝居やってみると、割と肩の力が抜けて、旗揚げ公演のサンダカンでのかなり難しい役を気負うことなくできたかなと。役を楽しむというか、自分で人間を作って、こうゆうのがやりたいなというのが冷静に見れるようになったのは芝居小舎からなんです。

 

―芝居を楽しめたのですね。

 

やっぱり役を追いかける・・面白いね。いろんな人生を考えられるのはね。

役者の醍醐味だし楽しんでやったらいいんだけど・・。といいながらも稽古の間は苦しいんだけどね(笑)。

―役者を目指したきっかけは何だったのですか?

 

変な子供でね、子供の時から歌舞伎が好きでしょっちゅう見に行っていたんですよ。いろんなところで稼いだお金は全部、歌舞伎を見たり、フェスティバルホールに音楽を聞きに行ったりとかに使って・・。

ほかに遊ぶより、音楽聞いたり、芝居を観たするのが好きだったんです。

 

―それからやりたくなった?

 

関わり始めたのは高校で、演劇部に入ってから。自分で演じて、これも面白いなと。

 

―理想の女優はいますか?

 

やっぱり市原悦子さんは若いころからすごかった。思い切ってお芝居をするし、思い切って役作りをするし、声が澄んでてはっきりしているし好きでした。

 

―先生にとって変わりたいことと、変わりたくないことは?

 

楽しいお芝居、若い人の感性でいろんなアイディアがある芝居は見ていても楽しい。

けど、かっちりとした役者同士のぶつかり合いで濃密な空間ができるお芝居の醍醐味のようなものを毎回じゃなくてもいいけど、若い人たちには勉強していってもらえたらなと思うね。

―今回、老カエルという役ですが、どんなキャラクターですか?

 

台本ではもっと年寄りのイメージだけど、今の世の中には80歳になってもシャキシャキしたおばあちゃんもいるから、年齢を気にせず作っています。

今回は、田中弘史さんという大御所が仙人のような年寄りを演じてくれはるので、みんなの中に入って「なにやってんの!」と怒れるような年寄りでいいんじゃないかと・・・。

 

―作品として注目してほしいところは?

 

やっぱり、「あきらめない」ってこと。

ブンナだってね、とんでもない夢を見ながら、それでもあきらめないでなにかを成していく。そして経験したことがちょっとずつちょっとずつ自分で気づかなくても身になっているし、そのために脱出できるんだから。

 

とてもよく書かれた作品だと思う。生きるか死ぬかの究極だもんね。

野生の動物たちの本能、弱肉強食を目の前にしながらでも最後まで頑張っている名作だと思うから。

 

役者によって全く違うものに変わる芝居だから、役者たちがどう変化していくかも楽しみだし、芝居小舎なりにどうなっていくかたのしみです。

 

―女優としての立場や劇団としての立場があるけれど、本当の自分をこうしなきゃいけないと抑え込んだりすることはありますか?

 

私自身は縁の下の力持ちがすきで、私ね、どっちかというたら人前に出て演じるよりはお手伝いしているのが好きな人間なんです。笑

 

―今後の小西先生の夢は?

 

この20年間は、なんとか頑張っていいものをしなきゃ、たくさんのお客さんに見てもらわなきゃと、どこかでちょっと大変でも突っ走ってきたところがあるんだけど・・。

もうちょっと肩の力を抜いて役者として公演に挑めたらいいなと思います。

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